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  動作の基本「投」 〜連載第6回〜

体幹ベースボールとは体幹いわゆる胴体が中心となり動作を作ります。そこから四肢(手足)をうまくコントロールすることで力みのない柔らかな、一見ゆっくり見えて実は速いという合理的な動作ができるようになります。

そのためには昔から言われる肚というものが特に重要になり、筋肉で言えば腸腰筋、横隔膜などの深層筋が主動に働き、強靭でしなやかな体幹が全身をコントロールする事になります。


しかし、このように体幹から生まれる合理的な動作は、簡単にできるものではく、腕立て、腹筋、背筋、スクワット等長くトレーニングを積み重ねて行けばいくほどバランスのよい選手が、次第に減少していく傾向にあるのは悲しい事ですが、それは体幹と手や足のつながりを無視してウエイトトレーニングをがむしゃらに行うのが原因ではないでしょうか。

更にバイオメカにクス的分析を行い、あたかも理論的科学的なトレーニングとして、肩のインナーマッスルを鍛えることが流行しているようですが、かえって肩周囲のバランスを崩して可動域の制限や痛みにつながる事も多く見受けられますが、結果的に局所的に鍛えることで体幹から四肢にエネルギーを伝達して全身を合理的に使う動作ができなくなります。日頃、部分的に鍛えている四肢が先に働くことで四肢の力みにつながり体幹部を使いたくても使えないという結果 を招きます。

小、中学校でセンスの良い身体の使い方をして注目されていた選手が、高校でがむしゃらにウエイトトレーニングを行うことで筋肉がつき、身体は大きく成長したにもかかわらず、センスの良い身体の使い方が失われ、故障を繰り返した結果、姿を消していくという選手が日本中にはたくさんいるというのが現状です。

投球動作においても、手や足の動きにとらわれると、バランスの悪い不安定な動作をタイミングだけ合わし、とりあえず帳尻を合わせた中身のつながらない動作になりかねません。これでは、伸びのある生き生きとしたボールを投げる事は不可能です。

四肢の動きだけを捉えた理論が流行しているようですが、それらを鵜呑みにするのは危険すぎます。また、それらの理論も日々変化を続け徐々に局所的なものから変わってきていると思います。

しかし、まず外見上の動きの分析からそれも四肢の動きからの分析は合理的な動作が成り立つ要素の主従関係から考えると本質から逸脱しています。投球時の重要な要素のひとつである前腕の回内、回外をとらえてみても肋骨一本一本の動きが関係し左右されます。

肋骨の動きとなれば呼吸が重要となります。呼吸が重要となれば姿勢が重要となり、姿勢が重要となれば深層筋の連動が重要となります。深層筋となれば自分自身の内部に目を向け、集中することから感覚的なことを心で観る必要がでてきます。

体幹ベースボールは体幹内部を体感する事から始まります。今回も紹介するエクササイズを通じて自分自身の体幹内部を感覚してください。


ご質問はinfo@kinetic.co.jpまで
   
■夏、大会前のコンディショニング
今年は梅雨が長く、各地で予選が行われていた時期は、朝晩が肌寒いくらいの気候でしたが、各地の代表校がそろい、この本が出版される大会直前はきっと暑い毎日だと思います。

脂っこいものを食べた後、冷たいものを飲むと脂肪が消化されにくくなります。胃腸の弱い選手は十分気をつけましょう。

また、昨年の夏の甲子園大会では足のけいれんを訴えた選手が多く見受けられました。急激な温度変化に対応しにくく、外の暑さと室内の冷気で次第に身体のバランスが崩れてきます。疲労が重なると風邪もひきやすくなります。

8月8日は暦の上では立秋ですが、これからが夏本番です。飲食、空調、睡眠に気をつけコンディショニングを整えましょう。
(報知新聞社出版「報知高校野球」2003年9月号掲載)


連載第1回:合理的な身体の使い方と心の調和
連載第2回:筋力トレーニングを再考する
連載第3回:野球の3拍子「走、攻、守」
連載第4回:野球の達人を目指すバランストレーニング
連載第5回:野球の達人を目指すバランストレーニング
連載第6回:野球の達人を目指すバランストレーニング
連載第7回:野球の達人を目指すバランストレーニング
連載第8回:野球の達人を目指すバランストレーニング
連載第9回:野球の達人を目指すバランストレーニング
連載第10回:野球の達人を目指すバランストレーニング


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